今日はMacBookProでデータサイエンスを進めて行くシリーズの18回目となります。マーケティング領域で使えるデータサイエンス手法をテーマに記事を書いて行きます。今回は”コンジョイント分析”をご紹介していきます。是非最後まで読んでいって下さい!
- コンジョイント分析とは
- コンジョイント分析の流れ
- コンジョイント分析のコツ
- コンジョイント分析関連の統計解析・機械学習アルゴリズム
- 注意点
1.コンジョイント分析とは
コンジョイント分析は、主にアンケート分析の際に多く利用されている多変量解析の一つです。消費者の購買意思に商品のどの要素がどれくらい影響しているのか定量的に確かめることができる分析です。 個別の要素を評価するのではなく、商品全体の評価(全体効用値)することで、個々の要素の購買に影響する度合い(部分効用値)を算出することも可能です。
<活用例>
例えばマーケティングにおいては、値段や性能など複数の要素のうちどれが重視されているか、どの機能の組合せで商品化するとよいか、その傾向を数値で把握することが出来ます。
(例)車の評価軸
・デザイン、大きさ、排気量、価格、燃費など複数の要素を同時に比較してもらうことにより、自動車購入において消費者が何を重視しているかを可視化します。
<補足>
コンジョイント分析は、事前に一定のルールに則って対象物を構成しておくことが前提条件となります。ルールに則って作られたアンケートの回答を基に要素がどのくらい重要視されて選ばれているのかを数値化します。例えば車の場合は、”商品スペックを高くした時いくらで売れるか”などコンジョイント分析を活用することによってビジネスに幅広く応用できる手法の一つと言えます。
<基礎用語>
コンジョイント分析では、属性、水準、効用値という言葉がよく使われます。
・属性・・・商品やサービスの要素のことです
・水準・・・商品やサービスの要素の具体的な数値や内容のことです
・効用値・・・購買意欲を高める度合いのことです
2.コンジョイント分析の流れ
・コンジョイントカードの作成
・直交表の作成
・アンケート対象者にて評価を実施
・コンジョイント分析の実施
・結果分析を実施
3.コンジョイント分析のコツ
実際に分析する際の参考にして下さい。
–1.コンジョイントカードの作成
調査項目の選定 効果測定したい属性・水準を選定し、評価すべき組合せを設定します。これを作成することをざっくり言うとコンジョイントカードの作成すると言います。
<代表的な評価方法>
・順位評価…回答者にすべてのカードを比較して順位をつけてもらう評価方法です。
・得点評価…回答者に1枚1枚のカードに得点をつけてもらいます。
・一対比較評価…回答者に2つのカードを比較してもらい、どちらがいいかを全パターンで行います。
–2.直交表の作成
直交表とは、いずれの2列を取った場合でも、全ての水準の組み合わせが同じ数になっている配列表のことです。 列を属性、行をカード、表の値を水準を設定するなどして直交配置による評価すべき属性・水準の設定を行っていきます。
–3.アンケート対象者にて評価を実施
アンケートを実施し、対象者にアンケートに回答(評価)してもらいます。
–4.コンジョイント分析の実施
<代表的な評価方法の分析手法>
・順位評価…MONALOVA、ジョンソントレードオフ法、LINMAPなどで行います。
・得点評価…最小二乗法、数量化Ⅰ類などで行います。
・一対比較評価…LOGITモデルなどで行います。
※Excel回帰分析でも十分計算出来ます。
–5.結果分析を実施
・グラフ化して結果を分かり易くまとめます。
4.コンジョイント分析関連の統計解析・機械学習アルゴリズム
アルゴリズム名 | 概要 | Pythonライブラリ |
ー | コンジョイント分析にも使えるライブラです。 ※コンジョイント分析専用という訳ではありません。 | stasmodels |
5.注意点
コンジョイント分析は、カードの数が増えると順位評価や、一対比較評価のような回答者に比較を求めるものは回答が難しくなります。
水準の設定を適切にする必要がありますが、これも結構難しく思考錯誤する必要があります。例えば車を評価する際に価格を20万円など非常に安く設定しまうと、多くの人が選ぶ(高い点数をつける)ので部分効用値が高くなり過ぎるなどです。 そのことによりその他の属性が軽視され、本来の意図は違う分析結果になってしまいますのでご注意下さい。
今回は以上となります。最後まで読んで下さりありがとうございました。
コメント